長谷川よしかず
日本字てがみ協会 副会長
認定講師 長谷川よしかず

字てがみとは

『字てがみ』というものをご存知でしょうか。
「絵てがみ」なら知っていると言う人も多いことでしょう
はがきに、筆で一文字だけデーンと大きな『字』を書きます

『愛』、そして横に「ありがとう…」と添える
たったそれだけだけど、心が伝わる。

文字はへたくそでもかまわない。いや、
下手なほうがその人の個性にじみ出て味わいある場合があります。

私は、北海道は名寄市の生まれ。横浜の大学へ行き、卒業後は
愛知で自営、そして自動車メーカーに勤めて仕事に邁進しておりました。

55歳の時、ふと立ち止まってわが道を振り返りました。
すでに父親はなくなり、故郷には78歳になる母親が一人で暮らしています。

『今まで親孝行らしいこしてこなかった』ことに気が付きました。
ちょうどその時でした、「字てがみ」というものに出会いました。

「筆不精の人でも書けますよ」と大阪に本部がある日本字てがみ協会、会長高嶋悠光先生より言われました。
それではと試しに母親に書いてみようかと一枚のはがきを書きました。

真ん中に「雨」と。

晩秋の11月のことで「寒いよ」と添え書きを書きました。
はがきを投函した後で、母親に電話をしました 

「これから100日毎日書くからうけとってね、でも返事はいらないから」
母親から3日目に電話がかかってきました。
返事はいらないといったのに、「ありがとう」と。
母親に、「ありがとう」の気持ちを込めて送ったのに、
「ありがとう」といわれて嬉しくなりました。

出典:心がスーッと軽くなるいい話
著:志賀内泰弘 p41

ある日のはがき『遠』さびしい

幼いころ、病弱だった私、遠足に行けなくて家で寝ていた
母親が色々話しかけてくれたこと思い出しての一枚。

『疲』こわくないかい

父親の法事の後、疲れていないかと心配しての一字
これには「こわくくないかい」という文字を書いた
『こわい』とは『体がえらい、しんどい』との方言

『雪」ねんねこきてるかい?

北海道が雪が降り寒いとテレビで報道された
綿入れの温かい上着を送った

100枚が近ずいたころ、母親から電話が来た。
「ずっと続けてね」と。
ご近所の人たちにはがきを見せていたのでした。

「明日はどんな字が来るだろう」などと、みんなでクイズをするまでになっていたのです。

 母親は生まれそどったとち、友達も多い名寄を離れられなくおりました。
私も高齢の母親が心配で。豊田に来ないかと話しておりました。
毎日届くはがきに背中押されたのか、5年後豊田市に引っ越してくれました。

その後86歳で母親はなくなり遺品の整理をしていた時でした、
一つの桐の箱が出てきました。
ふたを開けてびっくりしました。そこには私おくったはがきが,日付け順に
きれいに並んでいました。

その数、なんと1825枚。それを見たとき、私は涙が止まりませんでした。

母親を愛する気持ちで書いたはがき。
その愛を受け止めてくれた母親の気持ち。

「たった一枚のはがきで、人は笑顔になれます」

「字てがみなら、多分宛名を入れても3分もかかりません
筆でさっさっと、上手でなくてよい。

あなたも故郷の両親に、また大切な人にはがきを書いてみませんか?

面と向かって言えない、ありがとう、はがきなら言えるかもしれません。
私は今、中日文化センターはじめ8ケ所で、「字てがみ」の魅力を伝えています。

世界中に「字てがみ」で笑顔を届けたいと、講師の養成にも力を入れております。
是非。あなたも「字てがみ」の」魅力に触れてみてはいかがでしょうか?

感謝はがきいろいろ

日本字てがみ協会豊田支部長 認定講師 長谷川よしかず